鷹之資さんと壱ろはさんは、歌舞伎や日本舞踊にどのように親しまれましたか?
遊びの延長として自然に覚えさせる
赤ちゃんの時から楽屋に出入りしていて、自然に慣れ親しむ環境ではありましたが、主人は「こうしなければ、ああしなければ」というようなことは一切言いませんでした。厳しいことばかり言っていたら、途中で嫌になってしまうかもしれないので、とにかく無理にやらせることはなく本人たちの興味に任せていました。
役者というのは人から評される職業です。多くの人の視線を一身に浴びるのは大変なことだから、もし嫌なんだったら、これほどつらいことはないので、やらなくていいと言っていましたね。主人は歌舞伎を家の中に持ち込まなかったんです。たまたま芝居の話題になることはありましたが、「歌舞伎とはね…」のような堅苦しい話は決してしませんでした。

お二人の初舞台はいつ、どのようなものでしたか?
一般的な順序としては、初お目見えがあってから初舞台を迎えるのですが、鷹之資は1歳11カ月のときに歌舞伎座で、いきなり中村大として初舞台を踏んだんです。稽古は泣いていましたが、本番では泣かずに役を勤めることができました。壱ろはは1歳8カ月で歌舞伎座で初お目見えでした。最初のうちはいつも泣いて引っ込んでしまいましたが、慣れてくると舞台を自由に駆け回っていました。
二人とも生まれた直後から歌舞伎の世界を見ていますし、主人の稽古にいつもついて行っていました。ですから、何歳から稽古を始めたかはよくわからないのです。稽古場では遊びの延長で慣れさせてくださって、舞台は父親と一緒ですから緊張の中にも安心して舞台に立てたと思います。


特に記憶に残っている舞台はありますか?
『勧進帳』での父子共演の特別な瞬間
主人にとっても子供たちにとりましても、最も心に残る舞台は、2009年に歌舞伎座で行った自主公演の「第九回矢車会」です。『勧進帳』という演目で当時80歳の主人が弁慶を、10歳の鷹之資が義経を演じました。この舞台を当時皇太子徳仁親王殿下(現在の天皇陛下)にご臨席賜りました。80歳で弁慶を演じた人もいなければ、通常は子どもが義経を演じることもありません。稽古も少なく1日限りの公演でしたので、鷹之資は不安でいっぱいだったと思うのです。舞台に出るとき、少し不安そうな顔で父親の顔を見ると、いつもと変わらぬ声で「なんだい?」と言う父に、ただ「うん」とうなずいて。それだけで十分に伝わっていたと思います。特に何を言うわけでもなく、父親の存在そのものが大きかったと思います。私は後にドキュメンターの映像でその光景を見て、改めて主人と鷹之資の絆を実感した出来事でした。

《出演のご案内》
JAPAN THEATER『SEIMEI』出演決定!
【大阪公演】 2月19日(水) ~24日(月・祝)
会場:オリックス劇場
【東京公演】 3月1日(土) ~23日(日)
会場:THE ATER MILANO-Za
玄武 ・・・中村鷹之資
詳細は公式サイトをご確認ください。
https://japantheater.com/

歌舞伎『刀剣乱舞』出演決定!
【東京公演】 2025年7月
会場:新橋演舞場
【福岡・京都公演】 2025年8月
会場:博多座・南座
同田貫 正国・・・中村鷹之資
詳細は公式サイトをご確認ください。
https://kabuki-toukenranbu.jp/

《書籍のご案内》
〜その愛につつまれて〜

渡邊 正恵(わたなべ まさえ)

《お知らせ》
婦人画報(株式会社ハースト婦人画報社)
2025年2月号に掲載されました。
ぜひ、ご覧ください!

『十三夜会』奨励賞を受賞しました
12月吉例顔見世興行において、
『十三夜会』令和6年12月月間賞の奨励賞を
いただきました!
