同じ演目でも誰が踊るかで印象が変わりますね。
日本舞踊の魅力と挑戦
同じ演目でも、どういう気持ちで演じるかは踊り手によって異なります。その作品をどう捉えているかでも違いが表れます。ですから、自分の心の動きに合わせて、自然に体が動く踊り方が理想だと思います。日本舞踊は言葉や台詞がなくても、踊りながら芝居をしているような感覚になるんです。
同じ演目で同じ曲で十人が踊っても、微妙に印象が違います。踊り方には、その人の考えや経験といった人間らしさが表れますし、それは時間とともに変化していきます。同じ人でも20歳のときと50歳のときの踊りは全然違うはずなんです。ですから、自分なりに自分だけのスタイルのようなものを形成していくものだと思うし、それがおもしろいところでもあると考えています。
今後、新しい芳澤流の踊りを作り上げるのはもちろん、着物の着方や髪の結い方、化粧や小物にもこだわりをもって「芳澤流」を作り上げていきたいと思っています。

日本舞踊の世界での今後の目標は?
私は歌舞伎にとても近い日本舞踊家ということになりますし、生まれたときからさまざまなプロフェッショナルの方がいる世界で育ちました。幼い頃から見てきたことは、何よりの財産だと思っています。
日本舞踊と歌舞伎を比べると、歌舞伎は独特の化粧をして、衣装やかつらなどを身につけて、大道具、小道具も派手で華やかで、一目でこの人が主役だ、悪役だとわかります。
一方で、日本舞踊の素踊りは「そぎ落としの芸」といわれるほどシンプルです。化粧も薄く、普通の着物で、扇子を持って踊るので、本質的なものをより極めていかなければならないところが難しいです。台詞はなく踊りだけで、ないものをあるように見せるところは、言語の壁がない分、芝居よりも世界に発信しやすいともいえます。そこは強みでもあり、突き詰めていけるところかなとも思います。

日本舞踊以外のダンスや歌などの経験はありますか?
高校生のときは、英語でミュージカルをやる部活動をしていました。そこで少しダンスレッスンを受けたのですが、もちろん日本舞踊とはまったく違いますよね。(笑)
私は生の舞台、特にミュージカルを見ることがとても好きで、歌も少しだけ習ったこともあります。高校での経験はとても楽しくてよい思い出なのですが、やはり自分の本筋はあくまでも日本舞踊であると思っています。私にとっては、日本舞踊自体が父とのつながりであり、踊りの名手と言われ、人間国宝であった父の芸を受け継ぎながら、自分を表現していけるものなのです。日本舞踊家として「芳澤流」を発展させることが、父の芸を未来につなげることだと、それが私の使命だと思っています。

《出演のご案内》
関容子が会いたい人「中村鷹之資氏」出演のお知らせ
4月20日(日)
会場:歌舞伎座 3階花篭ホール
開始:15:00(開場14:30) 終了予定16:30
エッセイスト関容子氏が今、会いたい人!
伝統文化を支える一流ゲストとともに自在に語り尽くす珠玉のトークショーです。
お申し込み(天王寺屋友の會)
https://www.tennoujiya.com/contact/

『團菊祭五月大歌舞伎』出演決定!
5月2日(金)〜27日(火)
昼の部 11:00〜
夜の部 16:30〜
【休演】12日(月)・22日(木)
会場:歌舞伎座
《昼の部》
二、歌舞伎十八番の内 勧進帳
駿河次郎・・・鷹之資
詳細は以下のサイトをご確認ください。
https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/890

『宗家藤間流いろは会』開催決定!
5月18日(日) 11:30 開演
会場:国立文楽劇 (大阪)
《第2部》常磐津『羽衣』
天女 ・・・芳澤壱ろは
詳細は以下のサイトをご確認ください。
https://www.tennoujiya.com
『六月大歌舞伎』出演決定!
6月2日(月) ~27日(金)
※【休演日】10日(火)・19日(木)
会場:歌舞伎座
《昼の部》「車引」
松王丸・・・中村鷹之資
詳細は公式サイトをご確認ください。
https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/891

『春秋座 花形舞踊公演』出演決定!
6月21日(土) 11時開演/16時開演
6月22日(日) 11時開演
会場:京都芸術劇場 (京都芸術大学)
「小栗判官車街道」お駒 ・・・芳澤壱ろは
「新鷺娘」 ・・・芳澤壱ろは
詳細は以下のサイトをご確認ください。
https://www.tennoujiya.com

歌舞伎『刀剣乱舞』出演決定!
【東京公演】
2025年7月5日(土)~27日(日)
会場:新橋演舞場
【福岡公演】
2025年8月5日(火)~11日(月・祝)
会場:博多座
【京都公演】
2025年8月15日(金)~26日(火)
会場:京都四條 南座
同田貫 正国・・・中村鷹之資
詳細は公式サイトをご確認ください。
https://kabuki-toukenranbu.jp/

《書籍のご案内》
〜その愛につつまれて〜

芳澤 壱ろは(よしざわ いろは)

《受賞のお知らせ》
令和6年度 芸術選奨 舞踊部門
文部科学大臣新人賞を授賞しました
この度、昨年第九回翔之會の成果により令和6年度芸術選奨 舞踊部門 文部科学大臣新人賞を受賞致しました。
身に余るこのような賞を賜りましたのも、お導き頂きました関係者の皆様、何より厚いご後援を賜りました皆様のお陰と心より御礼を申し上げます。
この後もより一層精進を重ねて参りますので、宜しくお願い申し上げます。
中村鷹之資
