Interview

創業45周年特別インタビュー企画

伝統芸能の灯を未来へ繋ぐ

〜受け継がれる美の系譜〜

創業45周年特別インタビュー企画

第13回

「目を輝かせて、手をきれいに」父からの言葉を胸に

日本舞踊の魅力をひと言でいうと?

日本舞踊に込められた美の心

 日本舞踊の起源は、神話の時代にまで遡るのだそうです。天照大神が天岩戸にお隠れになったとき、どうにか外に出てもらおうと、天鈿女命が上半身裸で面白おかしく舞い踊りました。それを見た八百万の神々が大いに笑い、その笑い声に誘われて天照大神が外に出たことで、世界に光が戻り、平和な世になったという神話があります。ですから、日本舞踊を掘り下げると、神様に捧げる祈りと深い関わりがあり、神聖なものであることがわかります。
 歌舞伎は「歌」「舞踊」「芝居」からなりますが、「舞踊」だけをとっても日本の美の心がたくさん詰まっている芸術であり、文化だと思っています。一方、日本舞踊は茶道、華道などと並んでお稽古事としても習うことができて、日常の身のこなしや姿勢がきれいになり、礼儀作法が身につくものでもあります。もっと身近なものに感じてもらえたら、うれしいです。

日本舞踊のことでお父様から教わったことはありますか?

幼い頃、舞台に立つときに父から言われたことは、「目を輝かせて、手をきれいに」ということです。それはとても大事なことだと思っています。
指先は常に意識しています。やはり手の指がばらついているより、指先まで神経を行き届かせていると、全体の動きがとてもきれいに見えるんです。舞台の上だけでなく、普段の生活でも意識しています。
「目を輝かせて」というのは、子どもの頃はあまりよくわからなかったのですが、舞台上では子どもなりに緊張感や高揚感があって、「こうかな、こうかな」と考えるものです。そういった試行錯誤や真剣に取り組む姿勢が、心を輝かせ、それが目に現れるのかなと解釈しています。一所懸命に、楽しんで取り組めば自ずと目は輝くのではないでしょうか。

踊るときに心がけていることは?

 日本舞踊の『三番叟(さんばんそう)』などは五穀豊穣や子孫繁栄を祈り、感謝を捧げるという意味があります。そういうことは先生から教わりつつ、自分でも考えなければただの真似になってしまうので、自分のものにするためには「この作品はどういう意図なのかな」と考えますね。
 たとえば、静御前の役をやるのであれば、静御前がどんな人物だったのか調べます。その人がどういう立場にいて、どんなことがあって、ここまでどう生きて来たのか、いろいろ調べながら想像すると世界がもっと広がります。当時は寿命も短いですし、現在とは価値観や風習も違います。
 歌舞伎は男性しか舞台に立てませんが、日本舞踊は女性も輝くことのできる芸能です。私は日本舞踊という古典芸能を継承しながら、同時に自分にしかできない新しい舞踊にも挑戦したいと思っています。

《出演のご案内》

 4月20日(日)
 会場:歌舞伎座 3階花篭ホール
 開始:15:00(開場14:30) 終了予定16:30
 エッセイスト関容子氏が今、会いたい人!
 伝統文化を支える一流ゲストとともに自在に語り尽くす珠玉のトークショーです。
 お申し込み(天王寺屋友の會)
 https://www.tennoujiya.com/contact/

 5月2日(金)〜27日(火)
 昼の部 11:00〜
 夜の部 16:30〜
【休演】12日(月)・22日(木)
 会場:歌舞伎座

《昼の部》
 二、歌舞伎十八番の内 勧進帳
 駿河次郎・・・鷹之資
 詳細は以下のサイトをご確認ください。
 https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/890

 5月18日(日) 11:30 開演
 会場:国立文楽劇  (大阪)
 《第2部》常磐津『羽衣』
 天女 ・・・芳澤壱ろは
 詳細は以下のサイトをご確認ください。
 https://www.tennoujiya.com

 6月2日(月) ~27日(金)
 ※【休演日】10日(火)・19日(木)
 会場:歌舞伎座
 《昼の部》「車引」
 松王丸・・・中村鷹之資
 詳細は公式サイトをご確認ください。
 https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/891

 6月21日(土) 11時開演/16時開演
 6月22日(日) 11時開演
 会場:京都芸術劇場  (京都芸術大学)
 「小栗判官車街道」お駒 ・・・芳澤壱ろは
 「新鷺娘」 ・・・芳澤壱ろは
 詳細は以下のサイトをご確認ください。
 https://www.tennoujiya.com

【東京公演】 2025年7月
 会場:新橋演舞場
【福岡・京都公演】 2025年8月
 会場:博多座・南座
 同田貫 正国・・・中村鷹之資  
 詳細は公式サイトをご確認ください。
 https://kabuki-toukenranbu.jp/

《書籍のご案内》


〜その愛につつまれて〜

芳澤 壱ろは(よしざわ いろは)

2003年8月3日東京生まれ。五代目中村富十郎の長女。幼稚園より学習院に学び、現在は学習院大学文学部日本語日本文学科4年在籍中。幼少より舞踊は宗家藤間 藤間勘祖に師事。2005年6月 父、五代目富十郎の『良寛と子守』(歌舞伎座)にて里の子あい、で初お目見得。2024年9月 芳澤壱ろはを名乗り、名披露目の会「壱ろはの会」(国立能楽堂)を開催。


《受賞のお知らせ》

令和6年度 芸術選奨 舞踊部門
文部科学大臣新人賞を授賞しました

この度、昨年第九回翔之會の成果により令和6年度芸術選奨 舞踊部門 文部科学大臣新人賞を受賞致しました。
身に余るこのような賞を賜りましたのも、お導き頂きました関係者の皆様、何より厚いご後援を賜りました皆様のお陰と心より御礼を申し上げます。
この後もより一層精進を重ねて参りますので、宜しくお願い申し上げます。

中村鷹之資

直接お切符のお手配を承ります。

天王寺屋友の會
番頭:柏原 明子

電話:090-8841-1233
Mail:takaya@sound.ocn.ne.jp

続きは4月9日に配信予定