Interview

創業45周年特別インタビュー企画

伝統芸能の灯を未来へ繋ぐ

〜受け継がれる美の系譜〜

創業45周年特別インタビュー企画

第12回

日本の文化を学ぶため大学へ 日本舞踊と学業を両立させる

小さいころから読書が好きだそうですね。

本に囲まれた環境で、自然と読書好きに

 本がたくさんある環境に育ったからでしょうか。父の部屋には難しそうな本がいっぱい置いてあって、「私が読み聞かせをしてあげる」と言って、読むふりをしながら、適当な物語を作って話していました。父は気に入った偉人の伝記を読むのが好きだったのですが、私も小学生の頃は、ウォルト・ディズニーの伝記をよく読んでいました。
 父が亡くなった後も、何か迷うことがあったり、行き詰まっていると感じたりしたときには、書店に行って参考になりそうな本を選んで読んでいます。本を読むと、さまざまな世界や、いろいろな人の考えに触れることができますよね。
 最近読んだ本の中では、『覚悟の磨き方』という吉田松陰の言葉を現代語訳したものがおもしろかったですね。迷いがふっと消えるような言葉がテーマ別に並んでいて、読みやすく、よいヒントをもたらしてくれました。

現在は大学生ですね。どのような勉強をされているのですか?

 この春から4年生になります。在籍している文学部では日本語、日本文学を学んでいます。留学ができる学部も考えたのですが、日本舞踊や歌舞伎の世界にいるからには、日本の文化などについて深く理解しておいたほうがよいと考えて、専門的に勉強しようと思いました。
 大学には個性的で情熱を持って指導してくださるいい先生方がたくさんいらして、マニアックなものも含め、面白い授業がたくさんあります。

特に印象に残っている授業はありますか?

 「武士道」の授業というのが印象に残っています。『竹取物語』から始まって、「いろいろな文学作品から見る武士」について考えるものです。武士というと、江戸時代の侍であり、役人のようなイメージがありましたが、本来の武士は、殺戮を目的に雇われていた武者なのだそうです。
 野蛮な雇われ戦士が「もののふの心」という精神性を確立して、時代の流れに合わせて変容し、私たちが知る武士が生まれた、といった内容の授業でとても興味深かったです。

日本舞踊と学業との両立は大変なのでは?

 そうですね。出欠を取る授業も多いですし、しっかり勉強しなければ、単位を取得できないので、両立は思った以上に大変です。授業がある日に稽古が重なるときは、授業を優先させるよう、稽古の方を調整していただいて、なるべく授業に出ています。両立は大変ですが、時間が少ない分、集中力が身に付いたと思います。

卒業論文のテーマなどは決まっていますか?

 まだ考え中なのですが、やはり日本舞踊のことについてもっと学びたいですし、演習を受講している先生の専門分野が中世なので、中世の女性芸能者について調べてみようと考えています。
 当時の踊りというのは、宗教的な儀式で奉納されるためのものが多く、舞踊家はそこに近い人たちなので、時代背景や社会的な役割、踊りの意味や衣裳など、多方面から深く追求したいと思っています。
 日本の伝統文化の多くは、遠い先祖や目に見えないものやこと、逆らえない自然の流れや力をとても大事にしていると感じます。長い時間をかけて作り上げられ、現代の自分たちに受け継がれているものなので、意味をよく考え、大切にしたいと思っています。

《出演のご案内》

 4月20日(日)
 会場:歌舞伎座 3階花篭ホール
 開始:15:00(開場14:30) 終了予定16:30
 エッセイスト関容子氏が今、会いたい人!
 伝統文化を支える一流ゲストとともに自在に語り尽くす珠玉のトークショーです。
 お申し込み(天王寺屋友の會)
 https://www.tennoujiya.com/contact/

 5月18日(日) 11:30 開演
 会場:国立文楽劇  (大阪)
 《第2部》常磐津『羽衣』
 天女 ・・・芳澤壱ろは
 詳細は以下のサイトをご確認ください。
 https://www.tennoujiya.com

 6月2日(月) ~27日(金)
 ※【休演日】10日(火)・19日(木)
 会場:歌舞伎座
 《昼の部》「車引」
 松王丸・・・中村鷹之資
 詳細は公式サイトをご確認ください。
 https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/891

 6月21日(土) 11時開演/16時開演
 6月22日(日) 11時開演
 会場:京都芸術劇場  (京都芸術大学)
 「小栗判官車街道」お駒 ・・・芳澤壱ろは
 「新鷺娘」 ・・・芳澤壱ろは
 詳細は以下のサイトをご確認ください。
 https://www.tennoujiya.com

【東京公演】 2025年7月
 会場:新橋演舞場
【福岡・京都公演】 2025年8月
 会場:博多座・南座
 同田貫 正国・・・中村鷹之資  
 詳細は公式サイトをご確認ください。
 https://kabuki-toukenranbu.jp/

《書籍のご案内》


〜その愛につつまれて〜

芳澤 壱ろは(よしざわ いろは)

2003年8月3日東京生まれ。五代目中村富十郎の長女。幼稚園より学習院に学び、現在は学習院大学文学部日本語日本文学科4年在籍中。幼少より舞踊は宗家藤間 藤間勘祖に師事。2005年6月 父、五代目富十郎の『良寛と子守』(歌舞伎座)にて里の子あい、で初お目見得。2024年9月 芳澤壱ろはを名乗り、名披露目の会「壱ろはの会」(国立能楽堂)を開催。


《受賞のお知らせ》

令和6年度 芸術選奨 舞踊部門
文部科学大臣新人賞を授賞しました

この度、昨年第九回翔之會の成果により令和6年度芸術選奨 舞踊部門 文部科学大臣新人賞を受賞致しました。
身に余るこのような賞を賜りましたのも、お導き頂きました関係者の皆様、何より厚いご後援を賜りました皆様のお陰と心より御礼を申し上げます。
この後もより一層精進を重ねて参りますので、宜しくお願い申し上げます。

中村鷹之資

直接お切符のお手配を承ります。

天王寺屋友の會
番頭:柏原 明子

電話:090-8841-1233
Mail:takaya@sound.ocn.ne.jp

続きは4月2日に配信予定