花粉症シーズンの到来
寒さもピークの2月。積雪や乾燥など、気象状況によって生活や体調に影響が出やすい時期です。スギ花粉の飛散は1月末から始まりますが、関東では主に2月中旬から3月末まで、ヒノキ花粉の飛散は3月中旬から5月上旬までと言われています。スギ、ヒノキ、両方に反応のある方は、3カ月以上もアレルギー症状に対応しなければなりません。花粉症の症状は鼻炎だけでなく、目のかゆみや喉の痛み、皮膚の炎症や頭痛など多岐にわたるため、体調管理には細心の注意が必要です。花粉症の症状を引き金に、鼻炎から副鼻腔炎や中耳炎、目のかゆみから結膜炎と重症化するケースもあるため、症状はなるべく軽く、上手に付き合っていくことを心掛けましょう。
アレルギーはなぜ起こる?
私たちの体には、細菌やウイルスなどの異物を撃退する「免疫」というシステムが備わっています。しかし、何らかの理由で通常は身体に無害の物質に対しても「異物」として反応してしまい、撃退しようとして自分自身の体を傷つけてしまうことがあります。この状態をアレルギー症状と呼んでいます。アレルギーにはⅠ型からⅣ型まであり、一般的なアレルギーの花粉症やアトピー性皮膚炎、喘息、食物アレルギーはⅠ型に属します。
アレルギーを引き起こす物質を「アレルゲン」といいます。花粉やハウスダストだけでなく、小麦やそば、ピーナッツなどの食品や、動物や昆虫などさまざまな物がアレルゲンになり得ます。アレルギー反応は生まれつきの体質とは限らず、年齢や生活環境によって突然発症することがあります。風邪かと思って受診したら花粉症だったというケースも珍しいことではありません。冷静に症状を見極めて、体が発する声に耳を傾けましょう。
アレルギーとの付き合い方
アレルギー症状を起こさないためには、とにかくアレルゲンを寄せ付けないことです。アレルゲンとの接触を極力避けるのが最も良い対処法なのです。しかし、食品アレルギーなら「食べない」、金属アレルギーなら「触れない」と自ら避けることが容易ですが、花粉など空気中に飛散している物質は排除が困難です。マスクやゴーグルで粘膜を守ったり、化繊の衣服で付着を防いだり、部屋を加湿して浮遊を抑えたりと対処法はいろいろありますが、完全に排除するのは難しいのが現実です。
慢性的に症状があるアレルギーの場合は、我慢せずに薬に頼ってしまいましょう。アレルギーは養生していれば治るものではありません。症状を悪化させないためにも、自分の体に合った薬を見つけて常に持ち歩いていれば安心です。また、自分の体にとって何がアレルゲンとなるのかを正しく把握しておく必要があります。アレルゲン物質は200種類以上あり、何がアレルギーを引き起こしているかわからない場合は、医師に相談し検査を受けましょう。
メイクやアクセサリーもアレルゲンになる
ピアスやネックレスなどアクセサリーを付けた部分が赤くかぶれる、ジーンズのファスナーやバッグの留め金が当たる部分がかゆくなる場合は金属アレルギーと考えて良いでしょう。一般的なアクセサリーに使用されているニッケルは特に細胞毒性が強く、ヨーロッパの一部ではアクセサリーへの使用が制限されています(日本では制限なし)。金属アレルギーは汗と反応して起こるため、夏の汗ばむ時期は特に注意が必要です。
また、化粧水や日焼け止め、ファンデーションやアイシャドウ等にも金属が含まれているものがあります。さまざまな色味を整えるために必要な成分なのですが、近年では肌トラブルの原因として報告されるケースが増えています。
化粧品に含まれている主な金属
金/銅/鉄/亜鉛/ニッケル/クロム/コバルト/アルミニウム/パラジウム/チタン/マンガン/ジルコニウム/イットリウム/バナジウム ほか
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花粉症の対策としてオススメなのが肌の保湿です。意外に思われるかもしれませんが、実は皮膚からも花粉などのアレルゲンが体内に侵入することがあるのです。乾燥した冬の時期は肌のバリア機能が弱まっています。特に外気に触れる顔はマスクのこすれでダメージを受けているので要注意です。乾燥はお肌の大敵です。こまめな保湿でツヤ肌を保ちましょう。体の保湿はお風呂上がりが効果的です。ナノボディクリームなら引き締めと同時に保湿もできて一石二鳥。全身をマッサージしながら塗り込んで、乾燥知らずのスレンダーボディを目指しましょう。
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村山 舞[むらやま まい]
株式会社村山代表取締役、医学博士、昭和大学医学部大学院兼任講師、CIDESCOシデスコ(エステティック国際資格)、CIBTACシブタック(英国エステティック国家資格)、日本アロマセラピー学会会員、日本音楽療法学会会員、日本薬理学会会員、(ICC国際コーチング連盟認定コーチ資格)