メイクと心理
暖かな日差しと春風に、気分も解放的になる季節。重いコートやブーツを脱いで、軽やかな装いで出かけたくなりますよね。しかし、いまだ行動は自粛しないといけないし、、、 新型コロナウイルスの世界的なパンデミックで、マスクが外せない春も3度目となるともう、2年以上新しい口紅やチークを買っていないという方も多いのではないでしょうか。「どうせマスクをつけているからノーメイクでもいいか」「マスクが汚れるだけだからメイクは目元だけでいいや」というのは、とても理にかなったことである反面、実は無意識のうちにネガティブな思考に陥るきっかけになることがあるのです。
メイクアップは、外見をよく見せるためや、マナーの一環と捉えられることもありますが、実はメイクアップをする私たち自身の心に大きく影響しています。メイクアップによる心理的効果は、各分野で研究・発表されています。メイクをすることによっておこるポジティブな感情としては、「何かしたくなる」「どこかに行きたくなる」「誰かに会いたくなる」といった社交的な気分に、モチベーションとしては、「やる気が出る」「自信が持てる」といった自己肯定感を高める傾向にあります。同時に、ストレスを軽減したり、リラックスさせたりする効果も報告されています。メイクアップに連動して、スキンケアが念入りになったり、ヘアスタイルを整えたりするようになり、より前向きに好転していきます。うつ病や認知症などの効果も研究されており、今後さらに研究が進んでいくでしょう。
ということは、逆にノーメイクや部分メイクでは、その効果はあまり期待できないということになります。新型コロナウイルス感染予防で行動が制限されて、ストレスや不安がある今だからこそ、自分自身の心を守るためにも、メイクアップを楽しんでみてはいかがでしょうか。
メイクでなりたい自分を演出
メイクアップは他人に与える印象も左右します。職場や学校で自分をどのような印象で認識してほしいかは、ある程度メイクアップで演出することができるのです。眉の形で性格や意思を表現したり、口紅やチークで健康的なイメージにしたりなど、女優がメイクや衣装で役柄を演出するように、私たちも毎日のメイクアップでなりたい自分になることができるのです。新入社員を歓迎するときは優しいイメージに、プレゼンテーションやミーティングでは知的な印象になるように、屋外でのデートなら元気で活発な感じにと、シーンに合わせてメイクを変えれば、相手に与えたい印象を演出できるでしょう。
また、メイクには一種のペルソナ効果もあると考えられています。コスプレイヤーや舞台メイクなど、特殊な濃いメイクは全く別の人物に「変身」できるような錯覚を生みます。勇気を出して一歩踏み出したいときは、少し濃い目のメイクに挑戦してみるのもおすすめです。
ワンポイントアドバイス
One point advice
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メイクアップを美しく仕上げたいとき、最も重要なのは肌の状態です。ニキビや吹き出物、乾燥や日焼けで荒れた状態では、メイクアップが映えないだけでなく、肌の状態を悪化させる原因になることがあります。映えるメイクアップには健康な肌が必要不可欠です。睡眠不足や偏食はもちろん肌荒れの原因になりますが、意外なところでは、洗顔料や洗顔方法、メイクアップ用品の扱いを間違っている場合があります。
洗い流すタイプのメイク落としのオイルをなじませるとき、ついでにマッサージをしていませんか？ 目の周りやおでこ、口の回りの小ジワやたるみが気になるところを、オイルで指を滑らせながらマッサージするのは一石二鳥のように思いますが、実は肌荒れの原因なのです。メイクオフ用のオイルは、油分と水分を分離させないように合成界面活性剤が多く配合されており、肌に必要な皮脂まで洗い流してしまいます。皮脂は分泌が過多になればニキビなどの原因になることがありますが、適量の皮脂は肌を美しく保つ天然の美容液なのです。同じ理由で、洗顔フォームにも注意が必要です。マッサージをしたいときは、洗顔後の清潔な肌にクリームやワセリン、馬油など肌を保護する油分の多いものを使って優しく行うようにしましょう。
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村山 舞［むらやま まい］
株式会社村山代表取締役、医学博士、昭和大学医学部大学院兼任講師、CIDESCOシデスコ（エステティック国際資格）、CIBTACシブタック（英国エステティック国家資格）、日本アロマセラピー学会会員、日本音楽療法学会会員、日本薬理学会会員、（ICC国際コーチング連盟認定コーチ資格）
