スキンケアの新常識

　美容に関する研究は、医療と同様に日々更新されています。これまで、当たり前とされていたことや、常識とされてきたことも、新たな研究や発見によって、効果に疑問符がつくとも報告されています。個々の体質や肌の状態、また、商品の使い方や成分によっては一概に言い切ることはできませんが、これまでの常識を覆すスキンケアの新常識をご紹介します。

朝の洗顔は、睡眠中に分泌された皮脂をしっかり落とすため洗顔フォームを使う

あまりオススメしません。朝の洗顔はぬるま湯で数回すすぐくらいで充分です。夏は皮脂や汗を気にするあまり、しっかりと洗顔する方が良いような気がするかもしれませんが、必要な皮脂まで落としてしまうと、かえってニキビや吹き出物の原因になることがあります。

夏の基礎化粧品は「さっぱり系」がいい

これも考え物です。確かに汗の季節に油分の多い基礎化粧品を使うと、メイクがよれて崩れやすいのですが、夏の肌は紫外線やクーラーの冷気など過酷な環境に置かれています。ある程度は油分のある物でしっかりカバーする方が肌トラブルを回避できます。

夏は崩れ防止の下地をしっかり塗る

夏のメイク崩れは確かに気になりますね。しかし、テカリ防止の下地や毛穴を目立たなくするコンシーラーは、毛穴つまりの原因になることがあります。吹き出物の原因にもなるため、肌への負担を考え使い方や分量を工夫しましょう。

日焼け止め化粧品は数値の高い物を選ぶ

通常の生活ならSPF20くらいでも大丈夫です。数値の高さは肌への負担と比例しているともいえるので、適切な数値のものを選び、こまめに塗り直す方が日焼け止めの効果は高いのです。肌への負担を考慮するなら、紫外線吸収剤配合より紫外線散乱剤配合がいいでしょう。

メイクなおし前は、あぶらとり紙や汗ふきシートでしっかり皮脂を取り除く

やり過ぎ注意です。夏の肌は意外と乾燥しているため、皮脂の取り過ぎはトラブルの原因になることも。オススメなのはガーゼのハンカチを水で濡らして、汗や皮脂を感じる部分に軽く当てて吸い取ることです。首筋などに当てれば汗も引いて一石二鳥です。

メイクなおしの後はスプレー式の日焼け止め化粧品を一吹き

大正解！　1日の中で最も紫外線量が多いのは正午です。7月なら16時頃までは紫外線に気をつけるべきです。顔だけでなく、デコルテやアゴ下、首筋にも一吹きを。特に注意したいいのは足です。サンダルのストラップが日焼けの跡にならないように！

おやつは、ビタミンＣを補給するフルーツがよい

お菓子を食べるよりはいいですが、フルーツを食べるのなら朝にしましょう。おやつタイムに食べるならプチトマトがオススメです。トマトのリコピンは抗酸化作用が高く紫外線やストレスから肌を守ってくれます。利尿作用も高いので午後の足のむくみ防止にも。

できてしまったシワはあきらめるしかない

そんなことはありません！　初期のシワは、ほとんどの場合原因は乾燥です。適切な保湿で小ジワは解消できます。最近ではシワに特化した化粧品も販売されているので、あきらめる前にいろいろと試してみましょう。フェイスストレッチも効果アリです。

メイク落としはオイルでしっかり

要注意です。オイル系クレンジングはしっかりメイクを落とすときには最適ですが、同時に肌に必要な皮脂も取り除いてしまうため、毎日使うのは考え物です。軽めメイクの日はコールドクリームやシート系クレンジングなど使い分けしましょう。

クレンジングのついでにマッサージ

オイルやクリームでクレンジングするついでで、マッサージするのはオススメしません。クレンジングはあくまでもメイクを落とすもの。肌に長くとどめておくものではありません。マッサージするなら専用のオイルやクリームを使いましょう。

肌荒れは「冷え」と関係がある

正解！　女性の体は冷えによって大きくバランスを崩します。夏は冷えとは無縁と思いがちですが、クーラーの冷気は無意識のうちに特に下半身を冷やします。下半身の冷えは全身の血流を悪くして、肌荒れやクマの原因になります。

できてしまったシミはレーザー治療するしかない

そうとは限りません。シミの種類にもよりますが、セルフケアで薄くすることは可能です。肌のターンオーバーを早める化粧品を活用すれば、毎日のケアで徐々に薄くなっていきます。ビタミンA配合の基礎化粧品がオススメです。

肌トラブル別ナイトルーティン

　あなたの肌トラブルの原因は？　以下の設問で該当する物にチェックを入れて、あなたの肌トラブルタイプを導きましょう。適切なケアで、めざせ！美肌美人！

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  お風呂上がりの
  シートパックを習慣に！

  乾燥肌トラブルを解消するのは、何はさておき「保湿」することです。しかも油分ではなく水分をしっかり肌に入れること。ながら美容で手軽に保湿したいなら「シートマスク」がオススメです。美容液たっぷりのシートマスクを顔に乗せて5〜10分待ちます。その間にストレッチをしたり明日の洋服を選んだりと、時間の有効活用にもなり一石二鳥！　乾燥が気になるからといって、長時間つけるのは逆効果になる場合もあるので、パッケージにある推奨時間を守りましょう。マスクに残った美容液は、首筋やデコルテ、手や肘、膝などに塗って無駄なく使い切るのもオススメです。そしてパックの後は、必ず油分の多いクリームでフタをしてあげましょう。べたつきが気になっても、この一手間が大切。水分の逃げるのを防ぎます。

  

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  日焼け止め化粧品は
  用途に合ったものを！

  紫外線トラブルは、紫外線を浴びたことで肌が炎症を起こすケースと、日焼け止め化粧品が肌に合わずトラブルを起こすケースとが考えられます。基本的に日焼け止め化粧品は通年で使用することをオススメしますが、夏に気をつけなくてはならないのは汗で落ちてしまうことです。特に今年も昨年同様、マスクが外せない夏。汗やマスクこすれで日焼け止め化粧品が落ちた場合はこまめに塗り直すことが必要です。手軽なスプレータイプもオススメ。肌に合わない日焼け止め化粧品は乾燥の原因になります。汗をかいたあとに冷房の効いた部屋で過ごすとお肌は一気に乾燥します。乾燥した肌はトラブルを引き起こしやすいため要注意です。トラブル部分に紫外線が当たると色素沈着の原因にもなるため、肌に合ったものを見つけましょう。

  

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  質のよい睡眠と
  規則正しい生活で美肌再生！

  睡眠不足はお肌の大敵ですが、夏は安眠しづらい季節です。蒸し暑く寝苦しかったり、クーラーのかけっぱなしで、朝から体が重だるかったり。夏は湿度と気温のせいで眠りの質が低下しがちです。また、暑さのせいで食欲が減退し、さっぱりした物や冷たい物、甘い物などで空腹を満たしていると、いつの間にか栄養不足の状態に。質のよい眠りと、バランスのよい食事は美肌づくりの基本です。ぐっすり眠れて適切な食欲をわかせるために、軽い運動を習慣にしましょう。夕食のあとのウォーキングなら涼しく、紫外線もありません。そして睡眠の90分前に入浴を済ませるようにすると、深部体温と皮膚体温の差が縮まり、スムーズに入眠できるという研究データも！　ベッドに入る時間から逆算して良いタイミングで眠りましょう。

  

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  手軽なストレス解消法で
  こまめにリフレッシュ！

  仕事や人間関係など、努力や気遣いで知らず知らずに溜まっていくストレス。現代人なら当たり前のことと放置していませんか？　ストレスを感じると交感神経が優位になり体は緊張状態に。肌への血流が減って乾燥やくすみ、クマがでてしまいます。肌のバリア機能も低下するため、刺激に敏感になったり、紫外線の影響を大きく受けたり、トラブルを引き起こしやすく治りも遅くなってしまいます。こんな時はどんな高価な美容液も効果は期待できません。まずはストレスを上手にコントロールしましょう。手軽な方法としては深呼吸をオススメします。鼻から大きく息を吸って、口から吐くときはストレスも一緒に吐き出すイメージで！　またSNS断ちも有効です。過剰な情報から切り離されることで頭もスッキリ、心も穏やかになるでしょう。

  

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  深刻な病状なら医師に相談を！

  女性の体は生理周期に合わせて変化しています。特に生理前は肌に潤いを与えてくれる「エストロゲン」が減少し、反対に排卵時に分泌される「プロゲストン」は皮脂の分泌を促すためニキビの原因となるのです。口のまわりやアゴに出やすく、通常のニキビより治りが遅い傾向にあり、生理の度に繰り返す上に、マスクで擦れて炎症を起こし･･･そんな悪循環を実感しているなら、医師（皮膚科または婦人科）へ相談することをオススメします。また女性の体は冷えによって大きくバランスを崩します。暑くなってくるこの時期「冷え」とは無縁と思いがちですが、水分はなるべく常温か温かい物で体の中から温め、夜はしっかり湯船に浸かりましょう。クーラーなどで冷え過ぎないように、ストールでコントロールしたり、就寝時はレッグウォ―マー等で足首を温めてあげると効果的です！

  

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